2016-08-29から1日間の記事一覧

乱文小説①

息を潜め、彼の赤に染まり変わりゆく姿を僕は見るしかなかった。自分の口に自分で手を当て何度もこぼれそうになる小さな悲鳴を、抑えるしかなかった。彼はいつかこうなると言っていた。小さな約束を破りすぎたと。僕と彼はこの小汚い街で小さな大きさで薬を…

雲を追う

遠い空遠い雲風がなびけば草は流れ日が差せば影が立つ夢追いしこの手に太陽は遠く自分の影には手届かず雲は傍まで行けば雲に触れられる雲に近づけど触れられる雲は雲じゃない息をすれば風になびき遠くへ行く自分の知っている形を崩し風になびくその時雲は雲…