買い物は曖昧な記憶を呼び起こす。

ぼくの初めての買い物

曖昧な記憶を掘り返せど掘り返せど

思い出せないものだったりする

でも、オカンの置いていった

アルバムを見返せば

両親が買ってくれた物で

ぼくの幼き頃は満ち溢れている

まんまクマのジャンプスーツ

赤いユニクロのフリース

七五三のために買ってくれたブレザー

ぼくの周りには物で溢れていた。

就職して間もない今の自分は

買い物をしていない

していないわけではないが

写真に写るような物は買っていない


ぼくの初めての買い物は

どんなんだろうか

物で囲まれた自分には印象に残らない物だったのかもしれない

それはそれでいいのかもしれないが

こう文字に起こそうとすると

その覚えていないことにもどかしさを、なんとも言えないなにかに覆われる。


買い物は一瞬で

記憶に残るものは残る

しかし、ぼくはあまりにも

物に囲まれすぎた。

幼き自分は買い物の

記憶を残さないほどに





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